ヘリオスの事業戦略

当社は、「『生きる』を増やす、爆発的に。」というミッションを掲げ、いまだ有効な治療法のない疾患に苦しむ世界中の患者さんに新たな治療法や希望を届けることを目指し、幹細胞技術を活用した「体性幹細胞再生医薬品」及び「iPSC再生医薬品」分野において複数のパイプラインの開発を進めています。

当社は、一人でも多くの患者さんに一日でも早く新たな治療法を届けられるよう、「短期」「長期」それぞれの戦略に基づき更なる事業拡大を目指しています。
短期的には、比較的早期に製品化が見込める「パイプライン」を複数取得し、新規治療法の実現と収益化を推し進めています。2016年の脳梗塞急性期治療法開発ライセンスの取得、2018年の急性呼吸窮迫症候群に対する治療法の開発ライセンス取得、などはその実例です。
一方、科学技術は爆発的な進歩を遂げています。そのため、再生医療産業を革新的に発展させ、新たな基盤となり得る「プラットフォーム技術」をいち早く見極め、育てていくことも重要です。「プラットフォーム技術」はすぐには具体的な疾患の治療法には適用できないかもしれませんが、長期的な成長に不可欠と考えています。その1つが2014年より横浜市立大学と共同研究を実施している臓器原基技術です。
それぞれの「パイプライン」で培った研究・製造ノウハウや実績、収益を足がかりに、さらに革新的な治療法の開発に必要となる「プラットフォーム技術」を獲得することが可能となります。そして、また新たな「パイプライン」を取得し、異なる疾患に対して治療法を提供することが可能となるでしょう。いくつもの歯車がかみ合って回転し、その動力によってより大きな歯車が動き出すように、再生医療の実用化と産業化を促進していきたいと考えています。

「『生きる』を増やす」、ヘリオスのイノベーション

現在、私たちの生活には大きな変化が起こっています。ひとつはITやIoT、AIなどの技術革新である「ドライ(非生命)イノベーション」によるものです。そしてもうひとつが、再生医療など人々が健康的に生命を維持していくために必要な技術革新・「ウェット(生命)イノベーション」によるものです。

近年「ドライ(非生命)イノベーション」の劇的な進化は、社会にあらゆる利便性をもたらしました。しかし「便利になること」と「幸せに生きること」はイコールとは限りません。人は肉体や精神、感情面などにおいてさまざまな要素が絡みあうことで構成されています。「ウェット(生命)イノベーション」により、「『生きる』を増やす」ことが、再生医療の実用化を担うヘリオスのミッションです。

「生きる」価値に向きあい続ける

再生医療に取り組むことは、数々の「生きる価値とはなんだろう」という命題と向きあうことでもあります。細胞医療や遺伝子編集など新しい技術の実現により、さまざまな疾患が克服され、生きる人、生きる時間が爆発的に増えるはずです。そのとき、「生きる価値」の意味がもう一度問い直されるのではないでしょうか。「生きていられればいい」という時代から、「どう生きるべきなのか」という時代に変化したときに、生きる意味の幅も爆発的に増えるはずです。新しい時代を、ヘリオスが切り開き、患者さんへ生きる希望を届けていきたいと考えています。