お知らせ

2024.05.30

裁定請求事案の終結に関するお知らせ

  当社は、このたび、以下の裁定請求にかかる事案に関して、対象特許を共有する国立研究開発法人理化学研究所(以下「理化学研究所」)および国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」)、ならびに共同で治療法開発を進める住友ファーマ株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博、以下「住友ファーマ」)とともに、株式会社ビジョンケア(代表取締役社長CEO:髙橋政代氏(髙橋氏)、以下「ビジョンケア」)および株式会社VC Cell Therapy(代表取締役社長:髙橋氏、以下「VCT社」)との間で和解が成立し、本事案が終結致しましたのでお知らせします。

 

1.事案の概要

 当社、理化学研究所および大阪大学(以下、併せて「被請求人」)を特許権者とする特許第6518878号(発明の名称:「網膜色素上皮細胞の製造方法」以下「本件特許」)に関し、2021年7月13日付でビジョンケアおよびVCT社(以下、併せて「請求人」)が経済産業大臣に対して、特許法第93条第2項に基づく公共の利益のための通常実施権の設定の裁定を求めました(裁定請求番号:2021-1)が、標記各当事者の協議の末、今般和解が成立したものです。

 

2.和解の内容

 和解契約書の内容は、添付の「和解契約書」をご覧ください。

 

3.和解の経緯

 和解契約書締結までの経緯は、「和解契約書」の別紙1をご覧ください。

 

4.当社及び住友ファーマが進めているHLCR011の臨床試験について

 当社は、他家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)細胞(開発コード:HLCR011)を用いた治療法開発を住友ファーマと共同で進めております。当該臨床試験については、「和解契約書」の別紙2をご覧ください。

 本和解は、自由診療を対象とする自家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞の製造等の実施(30例まで)においてのみ請求人に対して被請求人が本件特許にかかる特許権を行使しないと約するものであり、当社及び住友ファーマは、両社が開発する他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞の事業への影響は軽微であると判断しています。

 当社は、治療法の無い疾患に苦しむ患者さんに対し、iPS細胞を用いた新たな治療法を開発し、世界中の患者さんに治癒と希望を届けることを企業のミッションに掲げております。当社は、本件裁定請求事案の終結を受け、他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞の製造に関する本件特許等の技術を用いて、眼疾患に対する新たな治療法の実用化や治験の実施を、共同開発のパートナーである住友ファーマとともに着実に進めてまいります。

 

以 上